概要/ピュアウッドとは

概要効果性能

ドイツの藁葺の古民家

ピュアウッドハウス

 無垢の木材を、接着剤や金属製の釘を一切使用せずに、工場で床・壁・天井を木製ダボによりパネル化し、短期間で組み立てることが出来る、オーストリアで開発された新しい建築システム。

 無垢材を使用した建物は、調湿性による健康面はもちろんのこと、断熱性、耐震性、防火・耐火性、防音性、室温調節、高周波電磁波の遮断や、省エネ・長寿命の面で高いレベルを示します。

ピュアウッドパネル

ピュアウッドパネルの木口

 壁・床・天井に使用するパネルは、縦・横・斜めの三角形で構成された複数の板や角材を木製ダボで固定することで優れた強度を確保しています。

建物の用途

 日本では主に住宅や別荘として建てられていますが、ヨーロッパではピュアウッドの性能を生かし、ホテル、医術センター、国防省の施設などが建設されいます。

 又、極厚パネルの特徴をを生かし、在来の建物の中にオーディオルームや耐震シェルターとして組み込むことや、寒冷地の底冷え対策として床パネルの上にログハウスや在来木造をのせるなど、さまざまな形で利用できます。

最高の自然素材

 ピュアウッドに使われる木材のためには、ドイツの黒い森で育つ最 高品質の木だけが厳選され、時間をかけゆっくりと成長を終え冬季 のみ伐採された木は、加工工場にて、張りを緩ませ、ひび割れや ねじれを防ぐため屋根の下で、何か 月も乾燥した空気の中で保管されます。

 建築する上で理想的な約10~12%の湿度まで乾燥した木材は、その品質とわずかな水分により大変長持ちし、また害虫やカビに対する保護塗装や化学添加物を一切使用することなく、最も自然に近い状態で保護され、ピュアウッドパネルに加工されます。

建設費を長寿命や省エネ効果、健康づくりでカバー

ピュアウッドハウスの組立 [長寿命]

 ピュアウッドの家の建設費は、坪単価100万円以上するため、ログハウスよりも高額な建物になります。

 しかし、建物の寿命はヨーロツパで300~400年は持ついわれ、湿度の多い日本でも 1/2の 150~200年を目標に維持していくことで、年間あたりの坪価格は 5,000円/年 前後となり、維持費などを考慮※1しても寿命の短いハウスメーカーの一般的な建物※2と比較して3倍近く値打ちな建物になります。

[省エネ]

 住まいを長持ちさせるには、間取り(模様替え)変更やメンテナンスが簡単にできる工夫が必要になりますが、ピュアウッドは2x4の建物と比らべ暖房費が約1.5倍有利になり、光熱費や建築廃棄物の排出を押さえることでエコロジーに貢献し、社会的にも評価されます。

[健康]

 省エネ効果で冷暖房の使用が減るとともに身体の乾燥が減るなど健康面や肌への効果も大きく、不要な医療費などの支出を減らし、森林浴と似た空間の中では快適でリラックスした暮らしが精神面にも影響をもたらします。

※1.加算要素:屋根葺替え修復などの維持費、他
    節約要素:省光熱費(冷暖房費)や建て替えに伴う税金(取得税と償却までの固定資産税)、他
※2.平均建設坪単価≒19,000円/年 (一般:50万円前後)

ダボ:木製ネジ

CLT(直交積層材/クロスラミナパネル)との比較

  • CLT

     ヨーロッパやカナダなどで普及している集成木材(クロス・ラミネイテッド・ティンバー)で、合板を基本べースに1990年から1995年にかけてオーストリア・イタリアで開発された無垢板パネル。
     集成材パネルを縦・横に5層以上接着して構造材として使用、日本でも平成25年1月にJAS規格が正式に発表されています。
    • 和名 「直行集成板」
    • パネル構成
      • ラミナ材 t=12~50mm、w=300mm以下
      • 接着剤 以前から構造用集成材に使用されている、レゾルシノール樹脂系、イソシアネート系など
    • 課題点
      • 製造時における接着剤の強度を確保するためのラミナ材の寸法管理
        ※海外で使用されているポリウレタン樹脂系は規定外
      • 年数の経過による接着剤劣化による影響
      • 防火規定への対応
        ※火災時、接着剤燃焼による有毒な煙やガスの発生による危険性
      • リサイクル
        接着剤が含まれるためリサイクルの用途に限りが生じる。
        また、土に埋めるためには土壌汚染を避けるために処理費が増す。
  • ピュアウッドパネル

     ログハウスのセトリング対策を解消するため1990年代後半オーストリアで開発された無垢板パネルで、外観はCLTと類似するが開発目的が異なる。
     健康にこだわり、接着剤や釘・金物類を使用せず、斜め材の層を設け、木製ダボで固定しパネルを構成。
    • ピュアウッドパネルの利点
      • 接着剤を使用しないため木材すべてが呼吸でき調湿効果などが得られ、同じ厚さでもU値が低いため断熱性能が高い
      • 接着剤を使用していないため将来建物を処理する場合、チップなどにしても環境を汚さない。
      • 60分準耐火構造認定に対応
        ※2014年9月耐火試験に合格後、2014年1月15日に認定(認定番号 QF060BE-1317)
      • 斜め材の層と固定するダボが三角形状を構成しパネルの強度をUP
    • ピュアウッドパネルの欠点
      • 建築確認申請提出に構造計算などが必要になる